敷地に里道が含まれていたり、敷地に里道が接道していてどうしたらいいと心配されている方もいらっしゃると思います
里道は明治時代に日本全国の道が国道、県道、市道、村道に分けられましたが、それから漏れた道になります
所有権の問題、利用の問題など里道の取り扱いを間違えるとトラブルの原因にもなっています
里道について詳しく解説しています
里道(りどう)ってどんな道?
里道の読み方は?
里道は『りどう』と読みます
里道とは
里道はもともと国や県が所有しているが、昔は道として利用されていたものが時の経過で利用されなくなったものです
公図上に赤色で表示することが義務づけられているために、赤線(あかせん)・赤道(あかみち)ともいいます
主要な道路は現在では国道・県道・市道に姿を変えています
住宅地の通路や農道、山道が里道と呼ばれています
里道が国の所有に対して、個人や法人で所有している私道とは違います
里道とは現在は市町村が管理所有している道路で国道や県道、市道などの重要な道路からもれた道路(農道、林道、路地)などのことです
あぜ道や道路の形を残していないこともあります
このような道路は法定外道路といわれて道路法の適用を受けません。(国道や県道・市道は法定道路)
(認定外道路とか基準外道路とも言われて、道としての機能が回復する見込みのないものになります)
私道は個人や法人が所有している土地で道路として使用されているもので、里道は国や市町村の所有のものになります
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里道の最低幅員は?
里道の最低の幅員は特には決められていませんが、通路として人が往来できる3尺以上とされています
1尺は30.303cmになりますので、90.909cmとなります
建築基準法の道路は4m以上とされています
里道と農道の違い

農道で利用していたものが里道ということがよくあります
里道は国道や県道・市道など明治時代に区分けされた道路から漏れたもので、昔から利用していた農道が調べてみれば里道だということがよくあります
里道の調べ方
法務局で公図を取得することで里道を確認することができます
実際は赤線では表示されていませんが、所有者が個人や法人でない土地の場合は所有者が国や市が所有している場合があります
公図でみると所有者は分かれていますが、現地では建物が里道の上に建っている場合などもあります
里道の所有者は誰?
里道は国有財産(法定外公共物)で財産管理は都道府県更には市町村が行ってきました
ところが、平成12年4月1日『地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律』で市町村に無償贈与されています
各市町村は申請に基づいて贈与を受けています
国土交通省所管の赤道(里道)のほか、青水路(水路)など法定外公共物も市町村に贈与されています
ただ、里道は機能しているものは市町村で所有されて管理されているが、機能していない里道は財務省の地方財務局が所有して管理されている状態です
機能していない里道は国有地であっても、専有されていて全く管理もされていない場合があります
里道の歴史

里道の歴史は明治時代にさかのぼります
立派な道路などは国道・県道・市道に分類されています
近所のしか使わない通路のような道路が里道として残されています
明治9年(1876年) | 太政官布告第60号として国道、都道府県道、里道に分けられる |
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大正8年(1919年) | 旧道路法が施行(重要度が高いものは里道は市町村道になる) |
平成17年(2005年) | 機能している里道は市町村に所有権が移り管理も行う。機能していない里道は財務省が管理 |
里道は建築基準法上の道路?
建築物を建てるためには建築基準法の道路に2m以上接しなければいけません
里道は建築基準法上の道路ではありませんので、建築物をつくることはできませんが、1950年(昭和25年)の建築基準法で幅が1.8m以上のものは特定行政庁が認定されたものはセットバックすることで建築基準法の道路として救済されています(42条の2項道路と呼ばれています)
セットバックとは道路の中心から2メートルセットバック(後退)することで、2メートル後退した土地には建築物を建てることができないことになっています

里道の現状
地方分権で法定外公共物の『里道』は国管理から地方管理に移ってきています
なぜ、国から地方公共団体に移譲されているのでしょうか?
いままで国管理の法定外公共物の『里道』は管理が行き届きにくく、管理把握もできないために管理がしやすい地方公共団体に管理がかわっています
過去に管理が行き届いていないために、現状では国有財産を不法占拠されている場合や機能障害を起こしていることもあります
今後、里道を不法占拠されている場合などは地方公共団体より指摘を受ける可能性もあります
里道のトラブル増加
里道は道路でもないが近くに住んでいる方が自由に使っているのが現状です
ただ、国や市町村が所有しているために、無断で使用していると、所有者から使用中止を求められる可能性があります
国も地方も実際管理できていない里道が日本全国あちらこちらにありますが、急に使用中止を告げられることもあります
そのためにも、どうしても必要な土地であれば払下げも考えるようにしましょう
自宅の敷地に里道・水道が残っている?
自宅の公図を取得してみると敷地の中に里道・水路が入っているというご相談がありました
もちろん、勝手に売却することもできませんしローンを組む事もできなくなります
里道、水路が敷地に入っているとその部分には地番が入っていないことでわかります
そうした場合は早めに手続きを行います
基本的には隣地所有者や関係者の同意があれば『払下げ』有償にて購入することができます
里道の払下げ(売り払い)することもできます
旧法定外公共物(里道・水路)で現在も機能を有しているものは財務局及び財務事務所が管理しています
逆に機能を有していないものは市町村が管理を行っています
それぞれの里道・水路で相談窓口は変わります
敷地の中に里道があったらどうする?
一筆の土地だと思っていたが、公図を取得すると敷地の中に里道があるということもあります
里道が誰のものか判断するにはその里道の登記簿謄本を取得することでわかります
機能していない里道などは隣接地所有者・地元の関係者の同意もって国から有償で購入することもできます
ただ、他の人が利用している場合などは出来ません
また、国から買取を求められる場合もあります
現在では特に買取を必要としなくても、売却する時に土地に里道が存在すると購入者が難色を示したりすることもあります
土地の権利関係はキッチリとすることで資産的な価値もある場合があります
個人の申請は難しく、土地家屋調査士や行政書士に依頼することが多いようです
里道の取得時効
里道を占有し利用を続けることで、一定期間後所有を認めることを取得時効といいます
取得時効を主張するには要件が必要になります
- 所有する意思を持って平穏に公然と占有すること
- 自分のものだと所有の意思があること(善意)
- 所有の意思をもって過失がないこと(無過失)
- 経過年数が10年
などの条件が整っている場合は主張することもできます
ただし、時効取得して所有権登記を行うには訴訟を起こす必要があります
専門家に相談することをおすすめします
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払下げ後に今まで無地番だった里道に地番が入ります


まとめ
里道は昔から利用されていた道であり、私道とは違います
大きな通りや道幅のあるものは国道・県道・市道に明治時代に制定されていますが、取り残されたものが里道ということになります
里道は国の所有でしたが、現在は市町村に所有が変わっています
里道が自分の土地の真ん中に通っている場合などは土地の資産価値を上げるために里道を買取することで資産価値が上がる場合もあります
そういった場合は里道の払下げ制度を利用するのもいいかもしれません
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