土地売却など、不動産を売却するとその利益が所得として計算され、譲渡所得として課税対象になります。
その課税には、大きく分けて「分離課税」と「総合課税」の2種類があって、所得に対する課税は総合課税が適用される事がほとんどと言われています。
しかし、分離課税が譲渡所得に適用されるケースがあり、適用されると様々なメリットがあるのです。
そこで今回は、土地売却でかかる分離課税とは?というテーマで、内容やメリットも併せて解説していきたいと思います。
これから、土地売却を検討している人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
土地売却でかかる分離課税とは?
それでは早速、土地売却でかかる分離課税とはどのようなものなのかを解説していきたいと思います。
分離課税は、特定の所得単体で計算するという特徴があり、「譲渡所得」「退職所得」「山林所得」の3つのみに適用されます。
そして、譲渡所得で分離課税に該当するのは、譲渡所得のうち土地・建物等及び株式等の譲渡所得のみに限られます。
分離課税と総合課税の違いとは?
では次に、所得に対して適用される課税として、分離課税と共に総合課税というものがありますが、分離課税とどのような違いがあるのかを見ていきましょう。
総合課税とは、複数の所得を合算したものが課税対象となり、「給与所得」「事業所得」「利子所得」などが該当します。
分離課税とは違い、単体で計算するのではなく総額で計算する必要があります。
例えば、給与所得が300万だとして、事業所得が50万、利子所得が10万円の場合、合計した360万円が課税の対象になるというわけです。
合算した金額によって税負担も大きくなるのが、分離課税との大きな違いとも言えるでしょう。
見出し3、土地売却で分離課税が適用される理由とは?
では次に、土地売却で分離課税が適用される理由について解説していきたいと思います。
総合課税では税額が高額になり過ぎるから
まず1つ目の理由としては、総合課税では税額が高額になり過ぎるからというものです。
土地売却は、その取引だけでも動くお金の金額が大きく、総合課税にして合算すると税負担が非常に高くなりすぎるという事があります。
土地売却で得る利益は、人によって異なりますが少なくとも数百万~1,000万円を超えるケースもあるでしょう。
このように、土地売却で仮に1,000万円の譲渡所得が発生した場合、総合課税で計算するとこれだけでかなり高額な金額になり、税負担が急激に増える事になります。
そこに、一律10%の住民税などを合わせてしまうと、税負担は一気に大きくなります。
このような急激な税負担を回避するために、土地売却では分離課税が適用される事になっているのです。
得る機会が少ない所得だから
2つ目の理由としては、得る機会が少ない所得だからというものです。
分離課税が適用されるのは、譲渡所得の他にも退職所得と山林所得がありますが、この3つは一生のうちでそう何度も得る所得ではないですよね。
このように、一生に何度も獲得の機会がないようなものは、分離課税が適用されるのです。
分離課税のメリットとは?
それでは最後に、分離課税のメリットをご紹介していきたいと思います。
税負担を減らしやすい
まず1つ目は、税負担を減らしやすいという事です。
分離課税は、特定の所得にのみ適用されるので、例え総合課税の対象所得が多くても分離課税が小さい場合は、トータルして考えると税負担はさほど大きくなりません。
分離課税を適用する事で、税負担を二分して考える事ができ、負担が少ない事から土地売却の際も利益を追求しやすいと言えます。
確定申告で返金される
2つ目は、確定申告で返金されるという事です。
土地売却によって損失が出た場合は、確定申告で払い過ぎた分が返金されます。
分離課税には、確定申告が必要な「申告分離課税」と「源泉分離課税」の2種類がありますが、損失分は源泉徴収分の返金が受けられる事になるので損失分を減らすことが可能なのです。
損益通算が可能
そして3つ目は、損益通算が可能という事です。
分離課税は、分離課税内でも別々で計算する部分がありますが、損失が出た場合は合算して損益通算が可能となっているのです。
分離課税は、通常ですと合算で計算はしないのですが、損失が出た時に限り損益通算をして税額を抑えることが出来ます。
これは、分離課税の大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、これが適用されるのは居住用財産を売却して損失が出た時に限るので、居住用ではない不動産の売却で損失が出ても損益通算は出来ないので注意しましょう。
まとめ
さて今回は、土地売却でかかる分離課税とは?というテーマで、内容やメリットと併せて解説してみました。
課税には、分離課税と総合課税の2種類がありますが、土地売却で発生した譲渡所得に対しては、単体で計算する分離課税が適用されます。
総合課税と比べると、対象となる所得は限られているので覚えやすいでしょう。
土地売却をした際は、ぜひ参考にしてみてくださいね。